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傍にいてもいいの?
第6章 穏やかな時間
すみれの実家からお野菜が沢山送られたとき、いつもあたしやエリにお裾分けしてくれるの。
すみれは郵便局に勤める妹さんと二人暮らし。
だから、荷物はいつものパックで届く。
「でね、話は戻って........実はあたし、部長と一緒に暮らしてるの」
チラッとみんなの顔を見れば........やっぱり驚いてる。
けれど、健一だけは違った。確信があったみたい。
「なんだ....部長の想い人って、やっぱりひとみだったんだ。納得」
「は?お前、知ってたのか?」
「気づかない方が鈍感。部長、隙あらばひとみのこと目で追っていたし....出張から戻ってきたらひとみはフリーになってたわけだろ?そりゃあ、攻めるわな........できる男は仕事が早いねぇ~」
「そうなの?そうなの?ひとみ、やったじゃん!辛い恋は新しい恋で塗り替えなきゃね!」
「じゃあ....あの日の飲み会からひとみと部長は同棲してるのね?」
「うん....そうなんだけど........」
「あ、あとな。部長とひとみ、おんなじお弁当食べてんだぜ。あれ、ひとみの手作りだろ?」
と、部長とあたしのお弁当の話まで健一にされてみんなにからかわれた。
そんな盛り上がっていた雰囲気をスパッと切ったのはすみれの一言。
「専務の姪御さんが何やらかすか怖いわね........」
この言葉で静まり返るあたしたち。
「部長は、はっきりと断るはずだよ」
「そうだよ!ひとみのことをずっと想い続けていたんだもの」
「やっと手に入れたんだから放すはずないよ」
みんなはあたしを励ましてくれる。
けれど、まさかと思うようなことが起こるのは、もう暫く後になってからだった。