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傍にいてもいいの?
第7章 攻撃開始
よし、これでオッケー。
さて、あたしもさっき出来上がったものを佑典さんに届けなくちゃ........
「裕美ちゃん、修復できたわよ。キリの良いところで代わってくれるかしら」
「はい、ありがとうございます。ここだけ打ち込んだら戻ります」
裕美ちゃんは画面から目を離さず受け答えする。
いつも、それくらいの集中力を発揮してほしいものだわ........。
「ひとみ....ちょっといいか?」
裕美ちゃんの席で伸びをするあたしに声をかけてきたのは健一。
「うん、いいよ。休憩室?それとも会議室?」
「すみれからの伝言だから第2会議室で」
「了解。時間差で向かうよ」
内緒話みたいな小さな声でのやり取り。
裕美ちゃんがチラッと此方を見ていたのは気のせい?
別に、サボりじゃないですよ?
........。
プライベートの話だったら、やっぱりサボり?
―――――――――――――――――――――――――
コンコン―――
「失礼します........」
会議室に入ると健一と大輔が待っていた。
ん?二人ともいつものおふざけって雰囲気じゃないね。
「ひとみ、早くドア閉めろ」
「あ、うん。ごめんね........」
ドアを閉めれば
「鍵もな」
「はーい」
促されてパイプ椅子に座れば、健一と大輔が目配せしてるし........一体何なの?
「ひとみ....一応、この部屋は防音になってるけれど........驚いても大声出すなよ?」
真剣な表情の大輔がちょっとばかり怖い。
「うん、わかった」
問うよりも素直に返事しておいた方が良いみたいだし。
あたしのその心構えを受け止めてくれた大輔が忘れかけていたことを思い出させた。
「内藤部長と専務の姪との見合い話、進展した。
日時は来週の土曜日。場所と時間は、藤和グランドホテルに10時」
「え?」
思わず口を手で覆う。
思ったほど大声ではなかったよね?