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傍にいてもいいの?
第7章 攻撃開始
「ほんとにするんだ....お見合い」
「お見合いって言いたくないけれど....向こうはその先も望んでるからな~」
「ひとみ、当日そのホテルに行くか?」
「行ったらバレちゃうよ........ゆ、....部長に迷惑かけちゃうのは嫌だなぁ~」
健一に覗きにい行くのは嫌だと伝えても、大輔は
『相手がどんなヤツなのか確認できるチャンスだ』
とか言うし。
「でもね、部長からはお見合いのコトとか1度も聞いたことないし........きっと、あたしに心配かけないように内緒にしてて、その日でカタをつけるんじゃないかな?」
なんかね、こそこそ嗅ぎ回ってる感がして嫌なんだよね。佑典さんのことを信じていないみたいで。
「甘いよ、ひとみは。内藤部長は水面下で対処してるんだよ。お前に迷惑や心配かけさせないように........。それに、お嬢様の陰湿な攻撃、知らなすぎる」
大輔は呆れ顔であたしを見たあと溜め息ひとつ。
健一も隣で頷いてるし。
「知らないって........失礼しちゃうな~。その言い方だとふたりは知ってるみたいだねぇ~」
嫌味っぽい言い方してもふたりには効果ナシ。
小さな反撃........失敗。
「ひとみさぁ、エリがお嬢様だって忘れたのか?」
「忘れてないよ。新人研修の時、あたしたちだけに話してくれたじゃない」
そう。
エリは財閥のお嬢様。
温室育ちが嫌で、お祖父様とお父様のことを隠して自分ひとりの力でこの会社に入社したんだって。
いつかバレてしまうなら今のうちに自分の口で........と、あたしたち4人にだけ研修最終日に話してくれたのだった。
「エリがな........実家の父親の秘書に調べてもらったんだと。部長のお見合い相手のコトを」
勿体ぶる大輔。
「気になるじゃん、どんな人なの?」
このあたしの言葉に返してくれたのは健一で、
「ぼちぼち有名らしいぜ、見かけによらずヤンチャなお嬢様だってさ」