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傍にいてもいいの?
第7章 攻撃開始
あたしの書類を持つ手が震える。
うそだ....ちゃんと確認したのに。
信じられない....課長も確認したんだよ?
そのあと部長に確認してもらったのに........
「兎に角、今部長が打ち直ししてくれてる。それを新しく纏めて配る。今、大輔と営業部長が繋いでくれてる........多分だけどな、なんとかなる」
震えるあたしの手を上から握ってくれる。
その優しさに、悔し涙が。
「健一........ごめんね........」
「まぁ、お前がわざとじゃないのはわかってる。だけど........この書類に手を加えた奴が居るのは確かだよな」
「考えたくないよ........」
俯くあたしに健一は耳打ちする。
「でもな、結果こんなことになったんだ。発注する前に気がついてよかったよ。このまま通されたらかなりの損害額だしな。
ひとみ、認めたくないかもしれないけれど.......これが現実。もしかしたら、これがお前への攻撃かもしれないしな」
あたしの肩をポンポンとして、勇気づけるように健一が笑顔を見せてくれる。
あたしがお礼を言おうとしたとき、
「新藤、行くぞ!!」
佑典さんに呼ばれた健一。
「はい!」
返事をして、すぐあたしに振り向き
『任しとけ!絶対に成功させてくるから』
そう言って健一は足早に会議室へ向かっていった。