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傍にいてもいいの?
第8章 天敵、現る........

深呼吸して、ドアをノックする。


コンコン―――――


『はい、どうぞ』


「笹倉です。失礼します」


ドキドキしながら凄く重たく感じるドアを開けて一歩中へ。
部屋の中では専務が一人椅子に腰掛けて此方を見ていた。


あたしのドキドキが止まらないのは、すみれが仕事を頼まれて此処に居ないことも関係してると思う。



「笹倉君、こちらへ来てくれるかい?」


専務の声はただ低いだけで、怒っているようには感じられなかった。


『はい』と返事をして、とりあえず素直に専務の机の前に立つ。
ドキドキは更に増す。
一礼して、視線を合わせると、


「笹倉君。君は、何故呼ばれたか....分かるかい?」


専務の言葉は予想はしていた。
やっぱりとも言うべきか。
先週のトラブルについて....だよね、きっと。


「はい。先週のトラブルについて....ですか?」


椅子の背もたれに体重をかけるようにしていた専務は、身体を起こして机に手を置き指を重ね合わせた。
威圧感を与えているようで、恐怖心倍増。


「わかっているなら、よらしい。その件についてワタシから少しいいかね?」


「はい。」


「君は、勤務態度について今まで問題なかったと聞いているが........先週は立て続けに問題を起こしてくれたようだね?」


「申し訳ありません。ですが、あたしには身に覚えがないことなんです。何度も何度も確認したのですが、どうしても最終段階で........」


ここまであたしが言葉をつづけると専務の顔つきが変わった。


「君は自分のミスを他人に押し付けるのかい?素直に認めることは成長に繋がると言うのに........その心がけはよくないねぇ........」


専務の声色も変わり、あたしの事を見つめる目も....。


もう、何を言ってもダメなのだろうか........。



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