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傍にいてもいいの?
第8章 天敵、現る........

専務と見つめ合うこと数秒。
何を考えているの?
きっと、あたしにとっては嬉しくない言葉を用意しているとは思うけれど........。


暫しの沈黙のあと。次の質問はこれだった。


「ところで、きみはいま交際している人が居ると耳にしたのだが........その話は本当かい?」


え?
なんで?
ちょっと待って?
どうして専務が知ってるの?
その前に、社員のプライベートのことまで専務は把握しなくてもよいのでは?
それに、言わなくちゃいけないの?恋人が出来た度に。


あたしが答えるのを渋っていると、また専務からキツいお言葉が.....。


「そうか。君は恋愛をして、腑抜けて....大事な仕事をミスする。
会社にとっては有り難迷惑な話だよねぇ........。
そう思わないかい?笹倉君」


なんで?
何故、ここまで言われなくちゃいけないの?
悔しいけれど........。
だめ!絶対に泣いちゃダメだ。


「もしかして、君の恋人は社内に居るのかい?
まさか、同じ部署だったりする.....?ふむ、そうかい。それは困ったねぇ....」


あたしは何も答えていないのに、専務はその答えを知っているかのように一人納得して話を進めていく。
佑典さんとあたしのこと、何処まで知っているんだろう。


「笹倉君。申し訳ないが....今週、君の仕事振りを見させてもらうよ。その間にまたミスが起こるようなら........君の処遇を決めなければいけなくなる」


あぁ....そう来ましたか。
もう、これは....
あたしがミスをする前提の話なのですか?



悔しいけれど、とりあえず、今はあたしもその言葉に頷く。
頷くって、認めたことになるんだよね?


が、専務の言葉はまだ終わらなかった。

『しかし――――』

と、続いて


「また、わが社に損害を与えるようなミスがあるとすれば.......他の社員にも示しがつかない。
そうなると此方としても困るから、君に関しては別口のルールが必要かね?」



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