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傍にいてもいいの?
第9章 守りたいものがある........
ひとみが狙われるのがわかったところで、いつ何処でなんて解るわけがない。
書類に関しては俺がすべて再度確認するとして........あとは、新藤にもそれとなく協力を頼むか。
頭のなかで対処方法を組み立てていると、清水が持参したファイルを広げて俺たちに見せてきた。
「もしも、だぞ。もしも、専務達が権力使って笹倉さんを陥れようとしたならコレ使ってくれ」
「なんだよ、コレは」
吉田が覗きこむ。
「コレは経理部のだろ?何か関係あるのか?」
「ちょっと見せてくれ........」
松下がそのファイルを手にしてページを捲る。
「気がついたか?」
清水の言葉で顔をあげた松下はファイルを俺に差し出す。
「不自然な金の動きがあるだろ?これ、専務の仕業。巧いことやってるよな........しかもこの金、浅川社長の会社に流れてる」
「....それも、結構な額だな。にしても、どうして清水がコレを手に入れられたんだよ」
「最近、部長が休暇を取ってるんだよ。過去の書類を調べたくて部長から預かった鍵で個別に管理してあった棚を開けたら........奥からコレが出てきたんだよ」
「内藤........」
呼ばれて、俺は清水を見る。
「笹倉さんにもしもの事があったら、コレ使ってくれ」
「このファイルさえあれば、専務を失脚させるには十分だと思う」
「あぁ、助かるよ」
その後も、俺達は専務と浅川社長の一人娘について話し合った。
「笹倉さんには....伝えるのか?」
「いや、何も言わないよ。彼女ならどんなトラブルに巻きこもれても負けないはず........」
清水の問いにそう答えると松下がとんでもないことを言ってきた。
「お前ら、マダなんだろ?今のうちに彼女孝行して安心させてやったら?お前がちゃんと守ってくれると確信できたら彼女だって強くなると思うぜ?」