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傍にいてもいいの?
第10章 決戦日


今は勤務中。
今朝は佑典さんと車で出勤。もしかしたら、この席に座れなくなるかも....なんて窓の外を見ながらしんみりしてしまった。


「ひとみ!内線入った、2番な」


パソコンに向かっていると健一から声がかかる。
もしかして、専務からの呼び出し?


「健一、誰から?」


「秘書の近藤さんだってさ。ほら、唯一の男性秘書」


男性秘書?
あ!
あたしを専務室から追い出した人だ........。


「ひとみを呼ぶってどんな用件なんだろうな~」


「う、うん。そうだね....なんだろう。すみれのことかな?」


何となく、用件くらい想像はつく。
健一も気にならなかったのか、あたしの誤魔化しに突っ込むことはなかった。


けれど、健一がこの電話の内容を聞いていたとは思いもしなかった。



「はい、お待たせいたしました。笹倉です」


『秘書室の近藤です。先日はお疲れさまでした』


「は、はい........」


『専務がお呼びです。例の件のお答えを聞きたいと申しておりますので、今すぐ此方へお越しいただけますか?』


「はい、畏まりました。伺います」


『由梨子様もいらっしゃいますので、出来るだけ早くお越しください』


カチャリ――――――

受話器を置くと、あたしは今作成中のファイルを保存して裕美ちゃんに『少し席をはずすね』と伝えて専務室へ向かった。




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