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心も抱きしめて
第3章 抱
9時を少し過ぎたころ、無理やり仕事を終わらせて
駅まで走った。
美香からは、からかいのメールが入っていた。
「今日は家に携帯を忘れちゃった。帰って見たら石島さんから着信があったよ!
由香里の事?」なんて呑気だ。
石島さんが美香の連絡先を知っていたのは驚きだった。
でもそのことには触れていなくて。
今度会ったときに聞きだしてやる!
改札に着くと石島さんがすでにいて
私の息が落ち着くのを待ってくれた。
そっと差し出された手を躊躇して見つめ返せば
「俺からのスキンシップになれてよ」
と、強引に手を握って歩きだした。
「手を握ったりするの苦手?」
そう聞かれて考えてみると
今までの彼とはそんなにべたべたした記憶もない。
「俺の手に慣れて」
そう言ってギュッと私の手を握ったあと
指と指をからませる握り方に変えた。
良い年をした会社員同士が、お互いにスーツで
指をからませた握り方で歩くという行為に
恥ずかしくて嬉しくなった。
ほんの少し歩いて着いたビルの最上階で降りて
そのまま慣れたように1番奥のお店に入った。
駅まで走った。
美香からは、からかいのメールが入っていた。
「今日は家に携帯を忘れちゃった。帰って見たら石島さんから着信があったよ!
由香里の事?」なんて呑気だ。
石島さんが美香の連絡先を知っていたのは驚きだった。
でもそのことには触れていなくて。
今度会ったときに聞きだしてやる!
改札に着くと石島さんがすでにいて
私の息が落ち着くのを待ってくれた。
そっと差し出された手を躊躇して見つめ返せば
「俺からのスキンシップになれてよ」
と、強引に手を握って歩きだした。
「手を握ったりするの苦手?」
そう聞かれて考えてみると
今までの彼とはそんなにべたべたした記憶もない。
「俺の手に慣れて」
そう言ってギュッと私の手を握ったあと
指と指をからませる握り方に変えた。
良い年をした会社員同士が、お互いにスーツで
指をからませた握り方で歩くという行為に
恥ずかしくて嬉しくなった。
ほんの少し歩いて着いたビルの最上階で降りて
そのまま慣れたように1番奥のお店に入った。