この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
心も抱きしめて
第6章 め
「ご機嫌だな。俺には一方的に手紙を送りつけて」
「いえ。あの」
顔は穏やかなのに、掴まれている肘は
手から離さない。
「まさか手紙1枚で終わりにしたと思ってないよな?」
えーっと。
終わると思ってました。
なんて呑気な事が言える雰囲気ではなくて。
「このまま来てもらおうか」
そう言うと肘を離さないままズンズンと歩きだす。
方向的には石島さんのマンションに向かっているので間違いないけど
それは前回に向かった時のように
甘く手をつなぐ雰囲気とはかけ離れていて
私の歩く速度なんか気にせずに
ぐいぐい引っ張られた。
「ちょ・・・っと」
小走りになりながら石島さんについて行く私の姿に
マンションの入り口で会った住人らしき人には
軽く怪訝な顔をされ
それでも「こんばんは」と私が苦笑いで言うと
「こんばんは」と怪しい人を見るように石島さんを見つめた。
そんなご近所さんの視線にもかまわず
エレベーターに乗り込むと
ドアが閉まる直前にそのご近所さんが口パクで
「大丈夫?」と心配してくれる始末。
「はい」と口パクで返すけど
心配されるような怖い顔をした石島さんが珍しい。
いつもは穏やかな人なのに。
「なに?自分がフッた男の顔が面白いか?」
不機嫌そうにそんなことを言う。
「いえ。あの」
顔は穏やかなのに、掴まれている肘は
手から離さない。
「まさか手紙1枚で終わりにしたと思ってないよな?」
えーっと。
終わると思ってました。
なんて呑気な事が言える雰囲気ではなくて。
「このまま来てもらおうか」
そう言うと肘を離さないままズンズンと歩きだす。
方向的には石島さんのマンションに向かっているので間違いないけど
それは前回に向かった時のように
甘く手をつなぐ雰囲気とはかけ離れていて
私の歩く速度なんか気にせずに
ぐいぐい引っ張られた。
「ちょ・・・っと」
小走りになりながら石島さんについて行く私の姿に
マンションの入り口で会った住人らしき人には
軽く怪訝な顔をされ
それでも「こんばんは」と私が苦笑いで言うと
「こんばんは」と怪しい人を見るように石島さんを見つめた。
そんなご近所さんの視線にもかまわず
エレベーターに乗り込むと
ドアが閉まる直前にそのご近所さんが口パクで
「大丈夫?」と心配してくれる始末。
「はい」と口パクで返すけど
心配されるような怖い顔をした石島さんが珍しい。
いつもは穏やかな人なのに。
「なに?自分がフッた男の顔が面白いか?」
不機嫌そうにそんなことを言う。