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藍城家の日常
第5章 謎の黒兎の瞳も赤
深い深い青、藍色は辺りを包む夜の色。
僅かに紫の混じった、夜光様の美しい髪の色。
私の大好きな色。
「夜光はね……ちゃんとした言い方できないから、そういうの所に気持ちを込める癖……あるの
『ちゃんとした言い方?』
「ん……口止めされてたけど、言っちゃうね……」
その石は“菫青(きんせい)石”、石言葉はーーー
夜那はそっと、誉の耳元に顔を近付けて囁く。それから、
誉
その時初めて彼女の名前を呼んだ。
「……夜光を好きになってくれて、ありがとう」
ーーー初めての愛。
やっぱり、彼の愛はいつもどこかに隠れている。
《終》