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藍城家の日常
第1章 私の旦那様
「……分かってる」
『ならどうか、機嫌をなおしてください……あっ』
パシャっ
必死な彼女を、夜光は両腕で抱き寄せる。
向かい合わせになった体がくっついて、触れた人肌がお湯でするりと滑って心地よい。
厚くたくましい胸板を、ささやかな胸越しに感じる。
誉は夜光の肩に両手を置きながら、俯いた。
「誉」
赤い瞳が誉を捕らえた。
熱い視線に射ぬかれて、体が硬直する。
『夜光様……』
「お前は知ってるだろ、俺が嫉妬深い男だと。お前、アイツとは一緒に風呂に入ってた仲だったらしいじゃねぇか……しかも俺と契りを結ぶその最近まで。随分仲が良いんだな……」
ぎょっとする。
誉は口をパクパクして、とんでもないというような顔をする。
『ご、誤解するような言い方はやめてください!ただの兄弟として、ですよ』
「そうだとしても、俺にはアイツが義兄に見えなくてな……」
『夜光様!』
バシャンっ
誉が再び口を開いた瞬間、唇を奪われる。
大きな手が頭を支え、もう片方の逞しい腕は、誉の華奢な体を強く抱き締めた。
『ぁ……んん……っ』
誉は夜光の肩にしがみつくように、腕を回す。
突然のことだったのに、体は素直だ。
彼を欲している。
自分より少し冷たい唇と舌は、欲しがれば答えてくれる。
濃厚で、優しいキス。
『ぷは……やこ、さま……』
溶けてしまう、誉は瞳を潤ませ、とろとろになっていた。
「……ふ、この顔をアイツに見せつけてやりてぇ……と、思う所だが絶対に見せてやらねぇ。俺だけが知ってる顔だ、誰ひとり見せてやらねぇ……」
ふんっと、ふんぞった彼の目元が柔らかく綻んだ。
壊れ物に触れるような力で顔を包まれて、また唇を落とされる。
強引なお仕置きの後にこれはくる。
甘すぎて、頭がくらくらする。
その後、誉はのぼせてしまった。
《終》
『ならどうか、機嫌をなおしてください……あっ』
パシャっ
必死な彼女を、夜光は両腕で抱き寄せる。
向かい合わせになった体がくっついて、触れた人肌がお湯でするりと滑って心地よい。
厚くたくましい胸板を、ささやかな胸越しに感じる。
誉は夜光の肩に両手を置きながら、俯いた。
「誉」
赤い瞳が誉を捕らえた。
熱い視線に射ぬかれて、体が硬直する。
『夜光様……』
「お前は知ってるだろ、俺が嫉妬深い男だと。お前、アイツとは一緒に風呂に入ってた仲だったらしいじゃねぇか……しかも俺と契りを結ぶその最近まで。随分仲が良いんだな……」
ぎょっとする。
誉は口をパクパクして、とんでもないというような顔をする。
『ご、誤解するような言い方はやめてください!ただの兄弟として、ですよ』
「そうだとしても、俺にはアイツが義兄に見えなくてな……」
『夜光様!』
バシャンっ
誉が再び口を開いた瞬間、唇を奪われる。
大きな手が頭を支え、もう片方の逞しい腕は、誉の華奢な体を強く抱き締めた。
『ぁ……んん……っ』
誉は夜光の肩にしがみつくように、腕を回す。
突然のことだったのに、体は素直だ。
彼を欲している。
自分より少し冷たい唇と舌は、欲しがれば答えてくれる。
濃厚で、優しいキス。
『ぷは……やこ、さま……』
溶けてしまう、誉は瞳を潤ませ、とろとろになっていた。
「……ふ、この顔をアイツに見せつけてやりてぇ……と、思う所だが絶対に見せてやらねぇ。俺だけが知ってる顔だ、誰ひとり見せてやらねぇ……」
ふんっと、ふんぞった彼の目元が柔らかく綻んだ。
壊れ物に触れるような力で顔を包まれて、また唇を落とされる。
強引なお仕置きの後にこれはくる。
甘すぎて、頭がくらくらする。
その後、誉はのぼせてしまった。
《終》