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抱き締めて、抱き締められて
第5章 ヤキモチ、妬きました........
翌朝。
仕事が休みの日曜日。
有希も休みで、久しぶりにのんびり過ごせると思った。だが、目覚めて手を伸ばせば有希の抱き枕が隣にいるだけだった。
スマホを見れば、9時を回ったところ。
有希がいた場所を触るともう冷たいから、すでに起きているのだろう。
こんなとき、リビングか自分の部屋か....どちらかを探せば有希は必ずいる。
「腹も減ったし、まずリビングか....」
ドアを開けて廊下に出ると、有希の声が微かに聞こえる。
リビングを覗くと有希はヘッドホンをしながらソファーに寝転がり、手元の冊子を見ながら時たま声を出して喜んでいるようだ。
『また、新しいCDでも買ったんだろうな........』
キッチンでコーヒーを入れる準備をしながらの考えは次の有希の言葉で打ち消される。
「登志彦さん....ステキ....はぁ、堪んない....もぅドキドキしすぎて....トオル最高!」
『は?登志彦さん?トオル?』
俺の手が止まったのは言うまでもなく、コーヒーどころじゃない。
足をバタつかせながらキャッキャしている有希を抱き起こした。