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抱き締めて、抱き締められて
第6章 ヤキモチ、妬かせちゃいました........
楽しい時間はあっという間に終わりを迎え、イベントオリジナルのグッズも購入して大事に抱えての帰り道。
とりあえず、現在地をコータに伝える。
お昼ご飯もすみれとあんずと一緒に食べて、少しショッピング。大学が違うから会える時間も減ってしまい、ここぞとばかりに遊びまくる。
長期休暇には泊まりで出掛けようと約束して別れた。
電車に揺られ、いつもの改札を抜ければ........壁際に立っている見間違えることはない大好きな人が居た。
あ....柱の向こうにいるお姉さまたちがコータのこと狙ってる。
「コータ!今日は早かったんだね」
駆け寄りながらその人の名を呼ぶと、あたしだけの笑顔を向けてくれる。ふふん、コータはあたしのだからね!お姉さまたちの残念そうな顔だこと........。
「お帰り、有希。午前中で取引が終わったからね。午後は少し会社で仕事してきたけど、有希に早く会いたかったからね~」
「そっか、コータもお仕事ご苦労様です。いつもありがとね」
コータの左腕に腕を絡めてマンションまで暫し歩く。
高校時代の友人と会えて楽しかったことを話していく。
お昼もどこで食べたとか、どこぞかの店員さんが面白かったとか、新しくできたクレープ屋さんとか。
調子にのってあれやこれやと話していくあたしはコータのヤキモチなんて気にしないで、本日最大のイベントのことまでペラペラと。
コータのヤキモチが限界まで来ているなんて思いもせず、見知らぬお姉さまたちに優越感で余裕綽々のあたしは『登志彦さんに癒された』ってことまで話していた。