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抱き締めて、抱き締められて
第7章 甘い時間

「........し、しん....」


「うん、あと一息」


部長がおでこにキスを落としてくれた。
視線が重なると『ほら、早く呼んで』っていう風に甘えてるのが解るの。


なんだけどね、恥ずかしいものは....恥ずかしいのです。


「あ~きら~?........ね、あと一息。あと三文字」


鼻先が触れ合う距離で発する甘えた声。
軽く擦れ合わせてから『チュッ、チュッ、チュッ』と3ヶ所に落とされるキス。
それは、続きの名前を急かすように思えるキス。


恥ずかしいのは変わりないけど........そんな部長を可愛く感じたのは事実なのです。
観念したあたしは、伸ばした腕を可愛く甘える....文字通り、目と鼻の先にいる男の首に巻き付けて


「.....し、しんたろぅ......すき......」


耳元で、頑張って、呼んでみた。


あと........


「ふ......二人っきりの時........だけだからねっ!」


こんな可愛くない台詞もつけて。



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