この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘い蜜
第1章 ひとひら
「あ、いやあの.....!!
ごめんなさい、差別とかそんなのではなくて....!!あの....!!」
「申し訳ありません
姫様がそんなつもりでおっしゃったわけではないことわかっております。
どうぞ気になさらないでください」
優しく微笑んでくれるけど
やっぱりどこか儚げで
でもそんな儚げな雰囲気ですら
イザルの美しい瞳に影を落とし
さらに美しさに拍車がかかってしまっている
「あの、あのね!?
ほら!まえにアザリア国に行った時も
イザルにみんな首ったけだったじゃない!
みんなあの後、イザルについて知りたがって大変だったのよ〜?
あの美しい執事は誰だって」
「その視線は、注目は、果たして姫様のように純粋なものはあったのでしょうか」
「え、「姫様は、本当に美しくお育ちになりましたね」
「へっ!?」
「汚れなく、まるで慈しみと慈悲で出来ているかのよう」
彫刻のように、作り物のように美しい顔で....
美しい無表情の顔でそんな言葉を吐くのに
私は愚かにもまた青い瞳に心を奪われてしまう
「私は、姫様のこの優しい瞳が好きです
慈愛に満ちたこの深いグリーンの瞳が」
イザルの顔がどんどん近づいて
イザルの手がわたしの頬を撫でる
「私以外をこの瞳に映させたくないくらい」
間近で見るイザルの瞳は本当に綺麗で儚げで
そしてどこか怖くて
なにより妖艶だった