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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密
それから七日が経った朝。
よろよろと危なげな足取りで廻廊を歩く水鈴を、眺めて話す二人の女官──。
「あれが噂の村娘ね」
「まぁ、そんな事を言ったら…。誰が聞いているかもわからないのに」
「平気よ、ご覧なさい、あの場違いな姿」
「…確かに、気味の悪い服装だわ。曲がりにも妃嬪という位の御方が…」
「──…」
声は聞こえなくとも
会話の内容はなんとなくわかるというもの。
しかし、それを気にする気力も体力も
今の彼女には残っていない。