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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密
「いつまでも村娘のつもりでは困ります。此処は宮中…水鈴様は妃嬪なのですよ。この後宮のしきたりでは…──」
「しきたりなど知りません。何か不都合があるのなら、わたしではなく" 陛下 "に申し上げて」
「まぁ…貴女ときたら…呆れてしまいますね」
「……何がですか」
「本当に何も御存じないようですわ。《しきたり》や《慣例》という言葉は、陛下の前では禁句だというのに」
「……?」
溜め息混じりの女官の言葉が、水鈴には理解できない。