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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密
「どういう…意味?」
別に興味なんてない
けれど思わず聞いてしまった。
聞かれた女官は眉をひそめ、水鈴をじっと見る。
正確には──彼女の銀髪を見つめていた。
「…先ずは食事をおすませ下さい。話はその後に致しましょう」
「ええ、わかりました」
話すべきかためらった後の、女官の言葉。
水鈴は大人しく御膳に箸をつけた──。
────
「──…預言の子供については御存じですか?」
「いいえ」
「150年ほど前、当時の大神宮から神託が献上されました。それは《龍の子》の到来を予言したと記録に残されております」
龍の子 ──
炎嗣によって処女を奪われたあの夜、彼の口から聞いた覚えがあった。
「その子供が王となり我国の危機を救うと言われておりました。あまり重きを置かれてこなかった神託ですが、到来を約束された年の数年後…」
......
前帝の時代
大国、李は、大きな危機に直面していた。