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§ 龍王の巫女姫 §
第9章 龍は孤独を歩む

「見ないで下さい…」

黒の吉服に身を包む炎嗣は、宮内よりもいくらか簡素な装い。それでも相変わらず…王としての気品を纏ったいでたちで。

それに対して、大の字で身動きのとれない不様な自分──

惨めになってくる。


「…何故だ?なかなか良い眺めだ」

「早くほどいて…っ」

「──…俺の言葉が聞こえなかったようだな」


そう言うと

炎嗣は紐をほどく代わりに、彼女の内衣の衿を掴んで挑発的に引っ張った。



「正しい言葉を選べ…」

「…っ」

「このまま柱にくくりつけて…抱いてやっても良いんだぞ」


顔をぐっと近付けられる。


脅すようで誘っているような瞳──


「……ん…ッッ」


息を呑んだその隙に、彼女の唇は塞がれてしまった。



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