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§ 龍王の巫女姫 §
第10章 春節の夜
これが…この男の作戦なの?
復讐を果たしたければ、俺を殺せと
そう言ったのは彼だ。
“ なのに今度はこうやって、わたしを取り込もうとしている ”
目的が見えない。あなたの、狙いが──
「やはり薄紫か──…、いや、菖蒲( ショウブ)色が似合うのかもな」
透かし彫りの細工が美しい、蘭の花。
水鈴の見事な銀の髪に映える色は多くなく、その中から炎嗣は薄めの菖蒲色を選んだ。
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