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§ 龍王の巫女姫 §
第2章 峭椋村の巫女姫
乙女の名は 水鈴 ( スイレイ ) 。
この森をぬけた先にある峭椋村 ( ショウリョーソン ) の、たったひとりの巫女姫だ。
「水鈴様…何故私の忠告を聞いて下さらないのですか…」
「でもわたしは都へ行きたかったの」
「そのような時は私に供させて下さいと先日お願いした筈ですが?」
「わざわざ付き合わせるのはあなたに申し訳ないと判断したのです」
「──…なるほどその結果。私は " わざわざ " 水鈴様を探して都中を走り回らせて頂きましたよ」
「…。ごめんなさい」
「ハァー」
水鈴の言い訳を退けたところで
男は頭に被せた自らの笠を取り去った。