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§ 龍王の巫女姫 §
第11章 残酷な好機
「…では、今宵は私が陛下の看病を致します」
医官がそう告げ、臣下は皆、頷いた。
しかし、そこに
「──…待て」
異を唱えた男が。
「…その必要はない…。…お前達は別室に控えていればいい」
「──…陛下?ですが万が一、ご容体が悪化しようものなら…っ」
「骨が折れただけで死ぬか…!!」
万一を考えて備えようとする臣下達のざわめきを、気だるそうにあしらう。
応急処置を施された炎嗣は、上半身に包帯を巻かれた状態で仰向けに寝ていた。
「陛下…!!」
「五月蝿い…──水鈴!」
「……ぇ!?」
臣下が口々に反対をする中で、炎嗣が出した名前。