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§ 龍王の巫女姫 §
第11章 残酷な好機
「…とは言えど、陛下の苦痛は相当なものです」
背骨こそは避けたが、馬の硬いヒズメは彼の背中側の助骨を砕いていた。
さらに横腹も蹴られたようで内臓も負傷している。
「輿( コシ )を用意させても、怪我に響くでしょう。今宵は宮中にお連れするのは諦めて、このまま安静にする他…致し方ない」
「それでは…」
「同伴した医女達に薬を調合させておりますので、そちらを服用して頂きます。骨の再生は後回しに…先ずは、痛み止めを」
寝台に横たわる炎嗣。
彼を囲んだ臣下達によって、今晩はこの宿に留まることが決定された。