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§ 龍王の巫女姫 §
第11章 残酷な好機
手を伸ばせばすぐ届く場所に、蝋燭の絶えた燭台がある。
片手で持ってみれば それはずしりと重たかった。
鋭い針が、残酷に光りを反射する。
“ これを、ひと突き…… ”
そうだ
これを、この喉元に…あるいは上下する心臓に
振り下ろせば
下ろしさえすれば──わたしの役目は終わる。
無意味に生き残ってしまったわたしの務めは、これで終わるのだ。
明日の朝には、外で控える衛兵によってわたしは捕らえられて殺されるだろう。
「これで満足ですか…」
水鈴は小さく呟いた。
復讐を果たせと、自分を殺せとそそのかしたのはあなただ。
村を焼いたのはあなただ。
みんなを殺したのもあなただ。
花仙を奪ったのも、あなたなの……!!