この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
§ 龍王の巫女姫 §
第11章 残酷な好機
“ …心の底から…憎みたいのに…!! そうすれば、こんなに苦しくない筈なのに ”
教えて下さい……!!
そんなに無防備に寝ていられるのは何故?
…わたしを馬から庇ったのは何故?
…都に連れ出したのは何故?
…ふとした時に、切ない横顔を見せるのは何故?
何故?どうして?
きりがない……!!
この人を、単なる仇として見ることができない。
冷酷で好戦的…
村の皆が言う李王の姿が、どうしたって本物の彼と一致しない。
宮中の者は口を開けば、彼を明君だと誉めそやす。
自身を《非情》だと
そう言いきる彼の行動には、それだけで説明できないことが確かにあったのだ。
“ 何故あなたのような人が村を滅ぼしたの…!? ”
教えて下さい。何故わたしは、あなたを殺さなければならないのですか…!!