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§ 龍王の巫女姫 §
第2章 峭椋村の巫女姫
水鈴は齢 十七
花仙は先日に、二十五の歳になった。
「もう子供ではないのですよ。いい加減に我慢という言葉を覚えて下さい」
「…はい」
「貴女は世間知らずなのです。商売文句にほいほいとのせられて…たかだか饅頭一個のために手を失うなど、悲話を通り越しての笑い話」
「まあっ、饅頭を軽んじるのは良くないわ。とても美味でしたのに…」
「──私の言いたいことが理解できていますか?」
「………はい」
この後も花仙の説教は暫く続き…辺りが暗くなり始めた頃合いで打ち切られた。
村はすぐそこ…
彼女を待っていたのは、巫女姫を心配していた村人達と、かんかんに怒った村長だった。