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第13章 都を離らば

東方に顔を向けると、丘がいくつも連なっている。

触れれば崩れてしまいそうなその白い砂丘は
湖のように月光に煌めいている…。

そう言ってしまえば
優雅に聞こえるかもしれない。


──…しかし現実は、決して優しくなかった。


二つの巨大な山脈に挟まれたこの土地は、雨という恵みを忘れた地だ。

草も木も、消え失せた。

そんな砂漠を只ひとりであてもなく歩く、若い男は凍え…渇いた息を夜の闇にぼんやりと浮かべていた。