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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜

てっきり、また自分の身体で遊ばれると身構えていた水鈴──
彼女は炎嗣の " 何もしない " という行動に面食らった。
すぐ隣に……熱い湯の中で目を閉じている彼。
“ 油断させておいて、いきなり襲われるかも ”
その可能性もなきにしもあらず。
暫く水鈴は身体を小さくして警戒していた。
......
けれど、炎嗣はじっと動かないままだ。
寝てしまっているのではと思うほどだが、時々、首をひねって鳴らしている。枕にしている岩場が固くて彼の首に合わないようだった。
そうやって沈黙が続くうちに
「……」
水鈴の緊張もほどけてゆく。
“ ……そうよね ”
そうだ、何も可笑しいことなどない。

