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§ 龍王の巫女姫 §
第3章 永久( トワ )の別れ唄

部屋にはほとんど家具は無く、暫く使われた形跡のない釜戸には蜘蛛の糸がかかっている。

“ ここで彼は生活しているの?──‥あッ ”

寝台には薄い敷布が一枚あるだけ。

その敷布には所々に黒い煤( スス )のようなものがこびりついていた。




敷布に斑紋──アザがあるなど可笑しな話。




奥に進んだ水鈴が敷布に触れると



「──…っ」



その触れた指先を伝って


何かが流れ込んできた。




“ 悲しみと…痛みが…叫んでいる。

とても苦しい、この…感情は……!? ”



敷布にこびり付いていたのは血痕だ




「──…ハァっ…ァっ、‥」



動悸が……!!




──その時、彼女は背後に人の気配を感じた。





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