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§ 龍王の巫女姫 §
第3章 永久( トワ )の別れ唄

花仙の家は、集落から距離をおいた村の北端にひっそりと建っている。
古くなった木の扉が危なげに軋みながら開いた。
「…留守ですか?誰もいないの?」
戸を叩いても返事がないので、水鈴は彼に無断で部屋の中を伺った。
“ 家に帰っていないのかしら ”
灯りはついておらず、物音もしない。
どうやら彼は留守のようだ。
「どうしましょう…」
せっかく会いに来たのに残念。
戸を閉めようとした水鈴だったが、不意に嫌な予感がしてそのまま部屋に入った。

