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§ 龍王の巫女姫 §
第19章 神への捧げ物
男は水鈴から手を離した。
彼女の身体は完全に地面に崩れる──。
そして、男は肩にかけていたある武器を初めて手にしたのだった。
背に隠れてよく見えなかったその武器は、炎嗣の知らない形状をしていた。
「戸惑っているようだな。王ならば少しは情報を持っているのではないか?」
「…!? それは…」
何だ?あれは──
炎嗣が眉を潜めれば
男は筒上のそれをこちらに向ける。
「──…神が私に与えて下さった力だ」
「……!!」
大きな破裂音
男に近付いていた炎嗣は
真正面からそれをくらった
何が起こったのか理解できぬ彼は
只、酷い激痛に歯を食い縛り…
膝からその場に崩れ落ちた。
男の高笑いが聞こえる
ふざけるなよ
何だ、あれは
「…‥ッッ カ、ハ‥!! すい‥れい‥‥」
俺は王だぞ
何故、愛する女ひとりを救えない───
───…