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§ 龍王の巫女姫 §
第19章 神への捧げ物
豪雨にもかかわらずスッと耳にとどいた。
いや…実は脳に直接とどいたのかもしれない。
その男の声は、中性的な艶のある声だった。
「誰だ…!?」
咄嗟に武器を掴み…銃口をそこに向ける。
「龍の子──…そう呼ばれる人間は三人だ。
その堂の中にいる二人と、もう ひとりは…」
雨に濡れ、森から現れたその者の衣服も、長髪も──身体にぴたりと引っ付いている
「な!! お、…お前…」
「──…もうひとりは、ここにいる」
彼は 自身の目を覆う薄布に指をかけ
歩きつつ、その結び目を解いた。