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§ 龍王の巫女姫 §
第23章 愛するあなた達へ
「う‥」
「──水鈴様!?」
寝台の横に控えていた付き人の女官が、意識を取り戻した水鈴にいち早く反応した。
帳( トバリ )が開けられ、水鈴は顔を覗かれる。
「水鈴様がお目覚めになられた!これ、医官」
「…わ、わたし…」
どういうわけか頭がくらくらする。
反応の鈍い水鈴に代わって、女官は手際よく医官や医女達に指示を出していた。
「早く脈を」
「は、…失礼致します」
手首に布を巻かれ、直接肌に触れぬように医官が脈を確認する。
「うむ…、熱は完全には引いておりませんが、脈は安定しております」
「熱……?」
いまいち頭が働かないのは熱のせいらしかった。