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§ 龍王の巫女姫 §
第23章 愛するあなた達へ
「行って参ります!」
若い女官は早速 戸を開けようとする。
しかしその時、部屋の外から声がした。
「……何事?」
「突然の訪問をお許しください。我々は陛下の居場所を探しております」
「…!?」
戸の向こうにいたのは、まさに本殿で遣えている宦官であった。
だが水鈴の容態を聞きに来たわけではなさそうだ。
「炎嗣様をお探しなの?」
「そうで御座います。寝室からお姿をくらませ、…てっきり此方にいらっしゃるかと…」
「まぁ…何処に行かれたのかしら…」
今、手分けして探している最中だという。
炎嗣の行方に見当もつかないが、水鈴は自らも探しに出ようと寝台から降り立った。
───