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§ 龍王の巫女姫 §
第23章 愛するあなた達へ

聞けば、目を覚ました炎嗣は、水鈴の様子を見にこの部屋を訪れていたらしい。

「傷もまだ治りかけだというのに、今朝の陛下は御自身よりも水鈴様のことばかりを気にかけておりました。…ちょうど、今の水鈴様のように」

「そんな… //…わたしは、ただ」

「あの様に陛下が誰かに執着するお姿は、初めてで御座います」


傷の痛みは相当なものだったろう。

それでも炎嗣は水鈴の所へ行くと言って医官を押しのけ、ふらつきながら彼女のもとを訪れた。


熱はほとんど引いたという医女からの報告に、彼はやっと納得して自室に戻ったそうだ。



「──…今すぐ陛下に報告しましょう。これ、水鈴様が目を覚まされたと、本殿の宦官へ伝えてきなさい」

お付きの女官は、入り口に立っている若い女官へ指示を出した。


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