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§ 龍王の巫女姫 §
第23章 愛するあなた達へ
牢の中に入れられていたのは花仙だ。
意識のない炎嗣と水鈴を崩壊した堂の中から救い出した所で、駆けつけた衛兵に花仙は捕らえられたのだった。
勿論、花仙は無実であり──
ここに閉じ込められるいわれはない。
「…感謝致します、陛下」
目の布をいつも通りに顔に巻いている花仙は、その表情を見せないまま炎嗣に礼を言った。
立ち上がり、扉を開けて牢から出ると、炎嗣の後に続いて廊下を歩いてゆく。
そして獄舎から出た二人は外の陽に照らされ、見張りの衛兵の前を通り抜けた。