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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )


「──…そうやって…」


「……ッ?」


「焦るお前の顔をもっと見たくなる…──それが、加虐心だ」


杯を置いた炎嗣が水鈴に身を寄せる。


「嫌がる顔…恥じらう顔…、フッ…どれも捨て難い」

そして炎嗣の手が、彼女の身体をまさぐるように這い始めた。


「…ん…//」

途端に水鈴が縮こまって顔を俯かせるものだから、炎嗣は余裕たっぷりに耳許で囁いてみせる。



「酒を飲むべきだったな…水鈴」


「……どう して…?」


「少しは大胆になれた筈だろう。俺の加虐心は…このままの方が喜ぶだろうが」


「…ッ ぁ‥待って下さい」


「待たない」


身をよじった彼女を、いとも軽々抱き上げた。



「お前の熱が下がるまで…どれだけ俺を待たせたと思っている…? 」



腕に水鈴を抱いたまま彼は寝台へ向かう。

垂れ下がった紗( シャ )をはらい、その小さな身体を横たえさせた。



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