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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )

「…どうしても許せなかったんだ」

「……?」

水鈴が断った杯を手に取り、炎嗣はそれを飲み干した。


「お前が自分を《巫女》だと言った…。それが馬鹿馬鹿しくて、何より許せなかった」


龍の子とは、神に嫌われた者たちだ。

理不尽な運命( サダメ )を背負わされ、蒼慶は神に殺されたも同然…

しかし水鈴は、自身は神に遣える巫女だと言う。


「故に俺は、お前を神から奪ってやろうと思った。神を恨めば恨むほど…歯止めが効かなかった。…まぁ、嫌がるお前の姿に加虐心をそそられたせいもあるがな…」

「か、ぎゃく心…?」

「──…クッ、お前にはわからないだろう」

「……っ」


また、知らない言葉が出てきた。

けれど不思議なことに水鈴は、その言葉の持つ危うい雰囲気を感じとる。



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