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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )

大きな背中に手を回して、彼に抱き付く。
「……!!」
炎嗣は今まで、女を抱く時──自分はいつも寝衣をまとったままであった。
それは相手に心を許せない…孤独な生き方故か
背中の《 龍爪 》を見せて女を怯えさせない為か
“ お前の身体は…温かいのだな ”
けれど水鈴は、背の爪痕を見ても怖がらないし
彼女になら…心を許せる。
炎嗣の力を持ってしても、彼女から邪( ヨコシマ )な感情が見えたことはないからだ。
「…っ…ハァ…! 水鈴──…ッ」
「…は、…い…」
「お前は俺のもの…、もう、逃がさない…!!」
「──…っ」
「俺の妃にする……」
「…ッ きさ、き……?」
きさき、と言われたが
それが何なのか水鈴は知らない。
──でも不思議と、嬉しかった。
「…わたしを…妃に、っ…」
「…ッ…ああ」
抱き合う二人は瞼を下ろし
互いの舌を貪った──。

