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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )
だが求めるままに激しさばかりを増すと、水鈴に痛みを与えてしまう。
彼女を組み敷き、獣欲にしたがって快感を貪るのは簡単だ。しかしそれでは意味がない。
炎嗣が欲するのは快楽だけではない。
彼女の心まで──まるごと抱かなければ意味がないのだ。
“ やっと手に入れた…… ”
何度…抱いても、どれだけ喘がせても
彼女は今まで、彼の腕の中にはいなかった。
捕まえた筈なのに手応えがない。
その笑顔も涙も 甘い声も
誰か…別の、あいつだ、花仙だ
──花仙へ向けられたものではないかと、そんな気がしてならなかった。