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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )
今なら、確信できる。
『 炎嗣様が死んでしまう
…──そう思っただけで 、周りの炎なんて気にならないくらい、哀しくて 苦しくて ‥‥ 』
水鈴は、炎嗣のために泣いたのだ。
炎の恐怖を圧倒するほどの哀しみの雫は、他でもない…炎嗣を想って溢れたものだ。
…この世にひとりだとしても構わない
彼を想って心の底から哀しむ人間が何処かにいたとするならば
彼は決して──孤独ではないのだ。
「──…水鈴…! 名を、呼べ」
「……はぁぁ‥っ─」
「お前を抱いている男の名を……!!」
腰の動きはそのままに炎嗣が命令した。
収縮する媚壁…うねる肉ヒダを掘りこむように
より深く、深く繋がろうとするものだから、彼女の腰が褥( シトネ )から浮いてしまう。