この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
§ 龍王の巫女姫 §
第3章 永久( トワ )の別れ唄
目を閉じた男は、女の頬に口付けを落とした。
「……私だけの姫様」
貴女のような美しい方を
愛した私は…幸福者です。
布地を手に立ち上がり、元の通りに顔に巻き付け後ろで結んだ彼は、枕元の灯籠を消した。
「──…」
堂の戸を開け外に出ると
沓を履いて静かに振り返った。
“ どれだけ抗おうと、夜が訪れれば、日は無情にいなくなるものです。
しかし姫様…どうか安心してください。
日の消えた空には必ず月がいるのですから ”
月が、貴女を御守りします…
────…