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§ 龍王の巫女姫 §
第5章 炎の李王

時間の感覚もわからなくなった頃合いで、やっと舌がいなくなった。

「…ッぁ‥、カハッ‥」

「…やはり只の女か」

脱力した彼女の身体を支えながら炎嗣が笑う。


「どうした?口付けだけで気を遣るつもりか」

「…カハッ‥ハァ」


言い返す力も奪われた。

そんな水鈴を寝台に横たえらせる。



「お前の力はじきにわかるだろう。俺が暴いてやるよ…ゆっくり時間をかけてな」


敷布に手をついて被さり
囁くように言った言葉。


それを残して炎嗣は部屋から去ってしまった。





──…





「…どうして…!」


呼吸を整えようとしても集中できず、水鈴は閉められた扉を見詰める。



何が起こったの?
いまのはいったい何だったの?


王が何故…わたしの前に…。


何がなんだかさっぱり掴めないが、男の舌の感触だけがただ鮮明だ。




─ガチャ



「失礼致します」


そんな中、炎嗣と入れ替わるように数人の女官が部屋に現れた。



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