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§ 龍王の巫女姫 §
第5章 炎の李王

「今度は何?あなた達は誰なのですか…っ」
女官は水鈴の腕を両側から抱えるようにして彼女を立たせ、部屋から連れ出す。
扉の外には二名の宦官( カンガン )が控えている。恐らくは水鈴の見張り役だろう。
「…離してッ…何処に行こうというの…!?」
「陛下は、今宵の伽( トギ)の相手に貴女様を指名されました」
「─え?」
「今からそのご準備を」
「……!!」
女達の話し方は丁寧だが心というものを感じない。
焦る水鈴をよそに淡々と語り、意味のわからない事を言いながら抵抗する彼女を引いて歩く。
──その後、水鈴は沐浴の場に連れていかれた。
そこで彼女は湯を使って全身を磨かれていった。温まったところで薄布で擦られ、白い肌には香油が塗られた。
その間にも、女官は伽のさいに注意することを水鈴の頭に叩き込んでいった。
水鈴は黙ってそれを聞きながら…
" 伽 " が何であるかをぼんやりと理解した。

