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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編


神の従者…か……



アルは軽く溜め息をついた。


「しかし、なんだって急に草むしりなんか始めたかと思ったら、宝探しの為だったとはねぇ。ホントにあるのかね?城の秘宝なんて」


「はは…」


詳しい事情は話せない。
民達の不安を煽らぬ為にも“黒い雲”の存在はまだ、公にはできないのだから。


苦笑いするアルの前に、煎れ立ての紅茶を置くと、エバは「ん?」と声を洩らした。

「何?」

「いや、なんか光った様に見えたけど気のせいだったよ」


目を擦り、アルの背中の剣をもう一度エバは確認する。そんなエバを気にしながら煎れて貰った紅茶に手を掛けるとロイドが現れた。


「やっぱりここだったか…」

少し息を切らし、アルを見つけた安堵感で思わず顔をほころばせる。

「なんか用だった?」

「ああ、ちょっとな…」


尋ね返すアルの向かいに腰掛け、ロイドはエバに目配せを送った。


「はいはい、わかったよ」


にんまりと笑みをこぼし、肩をすくめる。そう口にするとエバは厨房の奥へ身を引く。
厨房から聞こえ始めた洗い物の音を確認すると、ロイドはテーブルの上で組んだ手を遊ばせながら言い難そうに口を開いた。

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