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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編


「再来週末…空けといてもらえるか?」

「再来週末?…」

「ああ…」

「いいけど…何があるの?」

「何って……」


遊ばせた手がもどかしそうに行き場を探す。
尋ねたまま、デザートのスコーンを美味しそうにかじるアルをちらっと見ると、高い鼻先を指で掻きながらロイドは言った。


「今度…

俺とデートしてもらえるか? あのっ…この間馬小屋で話ただろ?…」

「馬小屋?…


あ!!…ああ、あの時のこと?」


記憶の戻ったアルにロイドはコクンと頷いた。

改めて思い出すと恥ずかしい。熱い愛を囁かれキスを交したあの日…

『普通に女の子の格好をしたアルとデートをしたい。

それが、俺の願いだ…』

ロイドはアルを見つめ、確かにそう想いを告げたのだ。


アルは密かに照れるロイドを前に、自分も少し頬が熱くなってきていた。


「大丈夫、だよな?…」


赤くなり微妙にうろたえるアルに不安を覚え、ロイドは確かめるように顔を覗き込む。

「だ、大丈夫っ…だけど…」


「だけど?」


「だけどっ…あの、女の子らしいってどんな……」


いまいち、“らしい”の基準がアルには分からなかった。

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