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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第18章 神の祈り
・
仄暗い室。半分まで溶けたロウソクの頼りない明かりの中、妃奈乃と未夢は経を唱え続けていた。
いつになく、母親 妃奈乃の額に玉の汗が吹き出している…
母様…
「未夢…読経に専念せい」
「はい…」
母を気にする娘…
未夢の集中力の欠けに気付いた妃奈乃は注意を促した。
闇の力が強まっておる…
黒い憎悪の念が南の地を取り囲むようにして渦巻く様が、魔鏡を透して妃奈乃の目には見えていた。
白の神よ…どうか我らにお力添えを―――!
経を読み上げる声を強めた母に続き、未夢も鈴を揺らす手に念を込めて声を張っていた。
寝静まる街を再び冷たい雨が濡らしていく…
深夜遅くにも関わらず城の広い会議室には、知らせを聞き眠気もどこぞへと飛んでいった国王と老師が腰掛けていた。
向かい会った王の風格にひけを取らぬ男。大山賊のお頭、レオは両腕を組んだままその場をじっと見据える。
「神の降りる泉にて…従者の盾となり力となり知恵となる者。使者として貴殿達が選ばれようとはな…」
ゆっくりとした口調で語る王の深い声は天井の高い会議室内に静かに通り、重みを増していた。
仄暗い室。半分まで溶けたロウソクの頼りない明かりの中、妃奈乃と未夢は経を唱え続けていた。
いつになく、母親 妃奈乃の額に玉の汗が吹き出している…
母様…
「未夢…読経に専念せい」
「はい…」
母を気にする娘…
未夢の集中力の欠けに気付いた妃奈乃は注意を促した。
闇の力が強まっておる…
黒い憎悪の念が南の地を取り囲むようにして渦巻く様が、魔鏡を透して妃奈乃の目には見えていた。
白の神よ…どうか我らにお力添えを―――!
経を読み上げる声を強めた母に続き、未夢も鈴を揺らす手に念を込めて声を張っていた。
寝静まる街を再び冷たい雨が濡らしていく…
深夜遅くにも関わらず城の広い会議室には、知らせを聞き眠気もどこぞへと飛んでいった国王と老師が腰掛けていた。
向かい会った王の風格にひけを取らぬ男。大山賊のお頭、レオは両腕を組んだままその場をじっと見据える。
「神の降りる泉にて…従者の盾となり力となり知恵となる者。使者として貴殿達が選ばれようとはな…」
ゆっくりとした口調で語る王の深い声は天井の高い会議室内に静かに通り、重みを増していた。