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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
・
輝く銀色の景色──
荒ぶる諸悪の根源を抑えるように、今もしんしんと静かに冷たい雪が降り続く。
ひときわ大きく、白く染まった山の麓。
奥深く掘られたその山の洞窟の先には立派な白蛇の石の巨像が奉られていた…
「――っ…!…まただっ…」
ゴゴゴ、と何かが地下を這うような地鳴りが響く。
白蛇の巨像の前で、祈りを捧げていた白神の信者達は微かに地を揺るがすそれに顔を上げハッと息を飲んでいた。
「お二人共がこの地を離れてしまってから、一段と地鳴りが激しくなってしまった…」
「我々だけでは抑えが効かぬ…早く戻ってきて貰わねばっ」
白い着物に薄灰色の袴を纏った男達は神の子と呼ばれる母子二人の留守に何やら不穏を感じ眉を潜めた。
白銀の眩い美しい国。
摩耶帝国。その北の大きな陸地を度々激しい地震が襲う。
東の大陸と並ぶ規模。ちょっとやそっとじゃ動じぬ大地ではあったがこの国の首も立て続けに起こるこの揺れの根源だけには穏やか成らぬ表情を浮かべていた…
「宰相様…」
「………わかっておる…」
廷内の一番見晴らしのいい塔の階から立派な白山を見つめ、宰相は静かに頷いた。
輝く銀色の景色──
荒ぶる諸悪の根源を抑えるように、今もしんしんと静かに冷たい雪が降り続く。
ひときわ大きく、白く染まった山の麓。
奥深く掘られたその山の洞窟の先には立派な白蛇の石の巨像が奉られていた…
「――っ…!…まただっ…」
ゴゴゴ、と何かが地下を這うような地鳴りが響く。
白蛇の巨像の前で、祈りを捧げていた白神の信者達は微かに地を揺るがすそれに顔を上げハッと息を飲んでいた。
「お二人共がこの地を離れてしまってから、一段と地鳴りが激しくなってしまった…」
「我々だけでは抑えが効かぬ…早く戻ってきて貰わねばっ」
白い着物に薄灰色の袴を纏った男達は神の子と呼ばれる母子二人の留守に何やら不穏を感じ眉を潜めた。
白銀の眩い美しい国。
摩耶帝国。その北の大きな陸地を度々激しい地震が襲う。
東の大陸と並ぶ規模。ちょっとやそっとじゃ動じぬ大地ではあったがこの国の首も立て続けに起こるこの揺れの根源だけには穏やか成らぬ表情を浮かべていた…
「宰相様…」
「………わかっておる…」
廷内の一番見晴らしのいい塔の階から立派な白山を見つめ、宰相は静かに頷いた。