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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復
「……っ…なんかまた荒れてきそうだな……」
「ええ…このところ気候士の予想もまったく的を得ません…」
チッと舌を打ち、苦味渋った表情のルイスにアレンはそう返す。
異常とも言える天候の崩れ。太陽が顔を出したと思ったら直ぐに厚い雲が覆い隠す。
時折、突風を交えた天気にルイスはため息を漏らした。
三人目の勇者候補はまだ見つからない…
こうなったら全国の人々を集め、遺跡へと足を踏み入れて調べるより他はない。
「とりあえず行ってくる」
「はい、何よりも早く待ち人が現れることを願っていますよ…」
そう返したアレンにルイスは無言で頷くと、また雨が降ることを懸念してマントをはおり、手にしていた剣を腰に提げた。
湖の遺跡への往復が続く。
でも、今はそれが一番重要な任務でもある。
少しでも変わったことがあれば見逃すことは出来ない。
手探りでの方法でしか今は自分達には打つ術がないのだから…
白い愛馬に跨るとルイスの真っ青な隊服が色鮮やかに映える。
長い脚で愛馬の腹に合図を送り、ルイスはいつもの路を颯爽と走らせ部下の待つ遺跡へと向かった。